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stockholm.jpgストックホルム

12月10日は、ノーベル賞授賞式の日です。今年は昨年と違い、日本人受賞者が1人もいないので、いまひとつ、我国では盛り上がりに欠けますが、ストックホルムでは今年も恒例の行事が催されていることでしょう。

『ニルスのふしぎな旅』の作者セルマ・ラーゲルレーヴがスウェーデン人として、かつ女性として初めて、ノーベル文学賞を受賞したのは、ちょうど100年前 の1909年のことでした。女性には参政権すら認められていなかった当時の社会背景を考えると、彼女のノーベル賞受賞は、やはりものすごい快挙であった と、あらためて思うのです。

『ニルスのふしぎな旅』の中で、ストックホルムは、36章と37章で描かれます。とくに37章では、当時の国王オスカル2世を彷彿とさせる雄弁家の王様が スカンセン野外博物館に現れ、ストックホルムの歴史と成り立ちをとうとうと語ります。王様の話を聞いているのはクレメント・ラーションという老人ですが、 実はニルスもそばでこっそり立ち聞きしているのでした。たしかに王様の話はおもしろく、ストックホルムの町がどのように作られ、発展していったのかがよく わかります。

スカンセン野外博物館には、スウェーデン各地から移築された古い民家が保存されています。左の写真はそのひとつ、クレメント・ラーションの故郷ヘルシング ランド地方から移築されたボルネースの小屋です。下巻p.219のクレメントの説明によると、ニルスはしばらくの間、この小屋で生活していたみたいです ね。
(2009年12月10日)